Baicaiの欠片

なんちゃっ哲学はじめました

もしも日本で石油がジャブジャブ取れたなら・・・?

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 2016年になって早々に中東の情勢不安だ。サウジアラビアがサウジ王室に批判的だったシーア派の有力指導者ニムル師を処刑したことに端を発して、イスラム教スンニ派のサウジ王室と国民の大半をシーア派が占めるイランの関係が悪化。周辺国にも影響が広がっている。

 

 今回のような事変といいISISやテロリズムの問題は、その共通点からイスラム教に焦点を当てられることが非常に多い。もちろん、この問題の根底の一つにイスラム教スンニ派とシーア派での争いがあるのは確かだ。

 

  ただ、これらの問題は中東がキリスト教圏であったら防げた問題だろうか? ちょっと首を傾げたくなる。当の問題の中心は政情不安だ。政情不安の理由として、歴史的経緯やイスラム教の宗派争いが大きいなウェイトを占めていることもわかる。

 

 しかしながら、この問題の本質は石油産出国である所にあるのではないかと思う。石油というわかりやすい富がある所。そして、富の不平等が発生していること。つまり、わかりやすい富の不平等が発生していること。これが彼らを政情不安へと駆り立てている一番の原因ではないか。

 

 もし、日本で昔から石油がジャブジャブ取れたとしたらどうだろう? 日本にはイスラム教も宗派の争いもないから、政情不安には至らないと断言できるだろうか。石油という誰の目にもわかりやすい富と、そこで発生するわかりやすい利権問題。これらを目の当たりにして、私達は黙っていられるのだろうか。

 

 事実、日本の高度経済成長期を支えた石炭炭鉱産業では、利権問題とそこから引き起こされる政情不安がセット存在していた。だから、この問題における本質は石油利権と不平等にあるといってもいいだろう。中東の歴史的背景、イスラム教の問題というのは後付的な理由であるように思える。

 

 だから、中東問題を解決する鍵はイデオロギーではなく、石油というわかりやすい富の処し方にあるのかもしれない。この観点から言うと今日の日本の富はさまざまな階層を経て複雑化されており、利権は迷彩化されているように思える。だから日本の富は政情不安に繋がりづらいとも言えるのかもしれない。

 

 石油のようなわかりやすい富は扱いも難しい。そして、この先同種の問題が日本で発生しないとは限らない。もし日本で石油がジャブジャブ取れるような事態が発生したら…?  そのとき情勢不安を争っているのは私達なのかもしれない。