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今の日本の社会構造を考えてみる - 文系のための就職心得

  はじめに

 当ブログではこれまで「今の日本の社会構造がー、社会構造がー」っと今の日本の社会構造について考え直せ!的な記事を投稿してきた。しかしながら、今の日本の社会構造とは一体どういうものなのか? その構造についてまったく触れてこなかった。

 だから、今日は私見ではあるが「今の日本の社会構造とははたしてどのような形をしているのか?」を考察してみようと思う。第一回は”文系のための就職心得”と題して、これから就職活動に向かう文系学生に向けて、今の日本の社会構造を分かりやすく解きほぐしてみよう。 

 

  1.社会(社会人)とは恐しくも難しくも偉くもない

 

  始めに断言しておこう、社会とは恐ろしいものでも難しいものでも、まして偉いものでもなんでもない。学生である君たちは既に社会に参加している。就職を経て社会人になるとその関わり方が若干変化するだけだ。それは高校から大学に進むのと同じようなものなのだ。

 

 それでも、「社会は難しくて恐ろしい。そして社会人は偉い!」という空気が今の日本社会には蔓延している。これは「社会人は偉い!」と思わせたい社会人が作り上げた社会の幻想である。自らの地位を高めたい社会人にとって、社会とは難しく恐ろしいものであったほうが都合が良いのだ。

 

 重要なことなのでもう一度言おう「社会(社会人)とは恐しくも難しくも偉くもない!」 その証拠として、今の日本の完全失業率は約3.3%である。裏を返せば就職を希望する97%が社会に社会人として参加できている。社会人の価値とはその程度のものだ。だから、必要以上に恐れる必要はまったく無い。

参考:統計局ホームページ/労働力調査(基本集計) 平成27年(2015年)7月分結果

 

 それならば、社会人になるための儀式である非常にメンドクサイ就職活動とは何なのか?  これは言うならば「社会のどこに住むか」という選択であり、「そこに住んでも良いか?」という社会への問いかけである。

 

 2.就職とは「社会のどこに住むか」という選択である

 

 まず前者から考えよう。就職とは社会のどこに住むかという選択である。この考え方を理解するためには今の社会構造を理解しなければならない。こう言われると難しく感じるかもしれないが、社会の基本的構造は5000年前から変わらない。だから、5000年前の社会構造を一先ず考えてみよう。

 

http://mizuiku.suntory.jp/kids/study/images/k013M1.jpg

古代四大文明を育んだ大河2 わくわく大百科 サントリー「水育」 サントリー

 

 文明の始まりが社会構造の始まりであると考えてもおかしくは無いだろう。5000年前、いずれの文明も大河のほとりで生まれている。それはなぜか? そこを流れる大河が無数の富を運んでくるからである。

 

 豊かな富を運ぶ大河に人々は引き付けられ、そこに集い文明を開いた。 古代文明の社会構造の中心は大河であり、それがもたらす肥沃な大地であった。現在の社会構造もこれと同じである。社会構造の中心が大河(水)から経済(金)に変わっただけなのだ。

 

 現在の人びとは豊かな富を運ぶ経済に引き付けられ、そこに集い企業(社会)を開く。現代の社会構造の中心は経済であり、それがもたらすお金(利権)である。つまり、現代社会は経済という大河のほとりを中心とした社会構造を成している。

 

 そして、経済という大河のほとりで、お金(利権)の肥沃な大地に居座る先住者が大企業である。上の絵でいうならば四大文明というやつだ。そこに住めばお金が大河を流れてやってくる。だから、みんなそこに住みたくてその手の企業に殺到するのだ。

 

 3.経済という大河のどの辺りに住むか?

 

 しかしながら、四大文明の全てが滅びていったように、肥沃な大地は常に争いと共にある。そこでは内外との利権争い、階級争いなど、豊かであるがゆえの争いは避けられない。また、古代文明がそうであったように、企業によっては”戦時"と称して奴隷のような厳しい労役を課すものもある。

 

 だから、就職活動にあたりまず考えるべきは「経済という大河のどの辺りに住むか?」という問題である。お金の流れる肥沃な中心地に住みたいのか? それとも、穏やかな小川のほとりを住処にするか? はたまた、人気の無い山中で雨頼みの生活も悪くないかもしれない。

 

 これは一人暮らしを始めるにあたり、まずどこに住むか?という問題とほぼ同じ考え方でよい。住環境、家賃相場、治安状況、交通の便、都会/田舎、一人暮らしを経験したことがある方ならば、そんな条件を鑑みて住む場所を決めたことがあるだろう。

 

 そして、人間は思ったよりも環境に左右される生き物である。洒落た街に住めば洒落た人間に、堅実な町に住めば堅実な人間に、危ない街に住めば危ない人間になっていく。これは社会環境でも同じである。

 

 だから、まずどんな人間になりたいのか? そして、そのために社会のどの辺りに住むべきか? 業種、職種、給与、社会保障、福利厚生、労働時間など、さまざまな条件を鑑みて住む場所を考えてみよう。おのずと狙うべきエリアは絞られるはずだ。

 

 4.今日のまとめ

 

 今の日本社会は大河偏重というべきか、大企業偏重というべきか。経済偏重、利権偏重の社会であるように思える。それは経済の中心地である東京偏重の人口推計からも見て取れるだろう。そして、そこから透けて見えるのは、お金と利権を最重要視している現代の日本人像である。

 

 古代的に言うならば、今の日本社会は大河のほとりの肥沃な大地に群がりすぎて、満員電車でスシ詰めになっているような一極集中の構造をしている。この社会構造は非常に危ういものだ。ひとたび大河の氾濫が起これば、この社会の大部分は流されて瓦解する。そうなれば日本社会は容易に立ち行かなくなってしまう。

 

 だから、我々日本人はこの偏重な思考を考え直す必要があると思う。一体何があなたにとって何が最も重要なのか。真摯に考えてみたことはあるだろうか? ちょっと問い直してみてはどうだろう? そして、どこに住むのがあなたにとって一番幸福であるか? ただただ大河に殺到する自称タイヘンな社会人ほどそれが分かっていないように見える。

 

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蛇足…

「んで、結局今回言いたいことって何よ?」

「社会人は偉くない / 現代の社会構造は古代文明の頃からほとんど変わっていない の二点かな?」

 

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