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Baicaiの欠片

なんちゃっ哲学はじめました

テキトーに語る経済思想のお話 - 日本って本当に資本主義?

 テキトーに経済思想のお話-番外編です。これまで語ってきた経済思想をもとに今の私たちの日本経済を考えてみます。これまでとはちょっと変わって硬めの文章で長いので目次を作ってみました。

・日本って本当に資本主義? 

・高度経済成長期の要因を考える

・高度経済成長期の日本経済思想って?

・資本主義経済の実現するためには教育が足りていない

 相変わらず、きちんと勉強している方から見れば何言ってんだこいつ?って感じでしょうが素人の思い付きです。鼻で笑いながら読んでやってください。  

http://free-pictograms.com/material/037.jpgフリー素材 ピクトグラム

 

・日本って本当に資本主義? 

 さて、現在の日本は紛れもなく資本主義国家です。にもかかわらず、我々日本人の一般的な経済感覚は、労働賛美、貯金奨励、土地信仰と、重商主義重農主義マルクス主義が織り交ざったような形をしている気がします。そこに交換の奨励という資本主義の概念を見ることはほぼありません。

 

 たぶんみんな頭ではなんとなく日本は資本主義の国だということをわかっています。でも、それに経済感覚が追い付いていないのが今の日本の姿なのではないでしょうか? 資本主義国家だけど、実は国民はぜんぜん資本主義者じゃない。これが今日の日本経済がうまくいかない理由といってもいいのかもしれません。

 

 資本主義の勝利。資本主義が正しい。資本主義で豊かになれる。私たちが漠然と感じている資本主義のイメージはこんな感じでしょうか? でも思い出してください。資本主義の基礎概念は”交換”のはずです。

 では、この「勝利、正義、豊か」というイメージはどこからやって来たのでしょうか
? このイメージは高度経済成長期の日本の経済感覚を思わせます。つまり、私たち日本人の資本主義のイメージとは”高度経済成長期の日本の経済感覚が投影されたもの”といえるのではないでしょうか。

 

 ここで一つ疑問が浮かび上がってきます。高度経済成長期の日本経済。あれって本当に資本主義経済だったの?っという疑問です。高度経済成長期からバブル崩壊まで。果たして日本経済を爆発的に伸し上げたのは本当に”交換”だったのでしょうか?

 

・高度経済成長期の要因を考える

 

 以下に日本の高度経済成長を支えた要因を挙げてみます。

・朝鮮特需等による外貨の獲得

・大規模公共投資

・世界第五位の人口(当時)労働力の活用

・景気拡大政策による不動産特需

 

 ざっとこんな感じでしょうか? 一つずつ見ていきましょう。

 まず”朝鮮特需等による外貨の獲得”は紛れもなく重商主義的発想の富です。外貨=金の獲得によって日本は富を手に入れました。後年の日米貿易摩擦などにあげられる貿易黒字政策も重商主義的発想であるといえるでしょう。

 

 そして、”大規模公共投資”です。こちらは一見資本主義的な発想と思えますが、重商主義でも当然自らの金を増やすための手段として投資は行われます。ですから、二つの思想の分かれ目は”金を獲得するために投資をするのか”、”交換を促進するために投資をするのか”ということになります。

 両者は似通っているために判断が難しいですが、ここで日本がとった政策としては、外資法によって外資の参入を阻んだり、特定分野への集中投資を行うなど、交換を促進していたとは言いづらい点が見受けられます。ですから、この大規模公共投資の政策方針は金を獲得するために投資を行った重商主義的な発想であった言えるのではないでしょうか。

 

 次に、”世界第五位の労働力の活用”です。こちらは紛れもなくマルクス主義的な発想です。また、前にあげた”大規模公共投資”も過剰労働力を活用するための投資であったと考えると、マルクス主義的な投資であったともいえなくもありません。

 

  最後に、”景気拡大政策による不動産特需”です。不動産特需はバブルの崩壊を引き起こし、これによって日本の高度経済成長は終わりを迎えることになりました。不動産特需・土地の高騰と考えると重農主義的な発想に思えますが、高騰を引き起こした原因は”景気拡大政策”による投資の推進であることを考えると、これは資本主義的発想の経済政策と言えるでしょう。

 この資本主義的な景気拡大政策は平成のバブル景気と呼ばれる好景気をもたらしますが、過剰投資によるバブルの崩壊を引き起こし、以降日本経済は停滞していくことになります。 

 

・高度経済成長期の日本経済思想って?

 

 経済思想的発想から日本の行動経済成長を支えた要因を考えてみました。以上のように考えると、高度経済成長期に日本経済を爆発的に伸し上げたのは何だったのか? その中心をなしたものは、”重商主義的な外貨の獲得”と”マルクス主義的な内需の富”であったといえるのではないでしょうか。

 そして、重商主義的富の乱獲は”貿易摩擦”という形で限界を迎え、マルクス主義的な労働力の活用も頭打ちとなった日本は初めて資本主義的発想の政策をとり、バブル景気を迎えることになります。この結末は再度言うまでもないでしょう。

 

 はたして、日本は本当に資本主義国だったのか? 上記から考えると「日本は重商主義マルクス主義で成長したが、資本主義を採用して失敗した国である」と言えるように思えます。

 おそらく私たち日本国民は体験的にこれを知っています。だから、私たちは「日本は資本主義の国である」と言いながら、労働賛美、貯金奨励、土地信仰と、重商主義重農主義マルクス主義が織り交ざったような経済思想を保っているのではないでしょうか?

 

 政府は資本主義経済を目指しているものの、それを上手く確立できない国、日本。この葛藤は今も続いています。日本政府と経済界は資本主義経済へ向けて舵を取り続けていますが、実態経済では重商主義的活動が行われます。重商主義と資本主義の相性の悪さは前に論じたとおりです。重商主義に富を独占されると資本主義経済はうまく回りません。

 ですから、今日本政府が目指しているような資本主義による経済発展を実現するためには、日本国民があいまいに記憶したままの資本主義の正しい仕組みを広め、国民の中に資本主義者を増やしていくことが必要なのではないでしょうか。資本主義者が重商主義者よりも多くなれば資本主義経済は回り始めるはずです。

 

・資本主義経済の実現するためには教育が足りていない

 

 素人の暴論ではありますが如何だったでしょうか? 突き詰めてしまえば、「日本で資本主義経済を実現するにはまだまだ教育が足りていないんじゃないの?」ということです。

 しかしながら、日本政府は実体経済ばかりを追いかけてこのような教育を軽視しているように思えます。このままでは資本主義経済の実現なんていつまでたってもできないのではないでしょうか。 不況を迎えても立ち直りが早いアメリカ経済と、いつまでもグズグズしている日本経済の差はこの資本主義に対する理解度の差なのではないかなと思います。

 資本主義を正しく理解している資本主義者が日本では少なく、まだまだ重商主義者の勢力が強いために、中途半端な形でしか資本主義経済を実現できていないのではないでしょうか?

 

 しかし、一方でこうも思います。”交換が無限の富を生む”という完全な資本主義経済なんて本当に可能なのだろうか? 結局のところ、私たちの富はマルクス主義的な労働成果を重商主義的な略奪経済によって回すことで成り立っているんじゃないのか? 共産主義が言われていることと同じように、資本主義も理想だけを語ったかなり無理がある思想なんじゃないのか?って。

 だから、もしかしたら日本政府は資本主義経済に見切りをつけて重商・マルクス主義的な政策をとるべきなのかもしれません。そう思わせてしまうあたりが日本の資本主義勢力の弱点です。

 

 ですから、経済学者様。一刻も早く誰もが納得する資本主義論を完成させてくれませんか? そしてそれを日本へ分かり易く広めてください。おそらくそれが日本経済を発展させるために必要な第一手となるはずですから。