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現代思想ガイドブック フリードリヒ・ニーチェ 読了

フリードリヒ・ニーチェ (シリーズ現代思想ガイドブック)

 かなり間が空いてしまったが、『現代思想ガイドブック フリードリヒ・ニーチェ』を読み終えた。凄い。ただただ凄い。圧倒された。ニーチェは本シリーズの一つの根幹であるといえるだろう。ニーチェの思想は現代人の思考にも大きな風穴を開けてくれる。 

 

 本書を読んで気になったのは若干ニーチェを過大に評価させてしまうような点だ。後続の研究者の研究成果もニーチェの手柄にしてしまうような評価方法がとられているように感じる。もちろんそんなところを含めてニーチェの凄さなのだが、本書からは等身大のニーチェの姿は見えてこない。

 

 ドゥルーズを先に呼んでしまった所為で何処までがニーチェで何処からがドゥルーズなのかその線引きができなくなってしまった。しいて言うならば、ニーチェの前方的な使い方を提案して、ニーチェの後ろ向きな部分を前へと転換させたのがドゥルーズだろうか? 

 

 また、個人的な感覚ではあるが、ニーチェの思考の裏側に時折オリエンタルな発想が見え隠れするのが面白かった。アポロ的・ディオニュソス的というのは陰陽の発想に近いと感じるし、ゾロアスターの影響や法を権利ではなく術と考えるところなどにオリエンタルの香りをほんのりと感じた。

 

 そんなこともあいまって本書を読んで一番感じたのは一体ニーチェは何処からやってきたのか、と言う疑問が一番大きい。残念ながら本シリーズはニーチェ以前をさかのぼることができない。いつかはこの隙間を埋めないといけないように思うが、しばらくは現代の方向に書を読み進めてみようと思う。

 

 次は、同シリーズのミシェル・フーコーを手に入れた。順番も連関もめちゃくちゃではあるがこういうのは縁であるように思う。目に付いたのを読んでみることにする。