テキトーに哲学史の話をしよう - 第2回 古代哲学イオニア編
はじめに
「哲学って何? 食べられるの?」っと哲学が一般に良く分からないモノとされている原因は、”今”に繋がる哲学史が一般に理解されていないからという気がします。なんちゃっ哲学を騙る当ブログではありますが、実は私もその辺は大昔に概論しかやっておりません。
そこで哲学を知りたければ哲学史を学ぶのが一番だ! っと言うわけで、今日はちょっと初心に帰って哲学史をテキトーに学び直してみることにしようと思います。参考文献はたまたま手に入った『シュヴェーグラー西洋哲学史』です。
Q1.哲学のはじまりは?
哲学が何時どこで始まるかと言えば、究極の哲学的原理、存在するものの最後の根拠がはじめて哲学的方法をもって探し出されるところにおいてである。哲学はそれゆえギリシャ哲学から始まる。
「哲学の始まりについて、シュヴェーグラー先生はこのように言っています」
「また、究極の原理とか、最後の根拠とか...」
「要するに、これ以上に分解できない地点を証明しようとするってことでしょうね」
「数学的に言うと素数??」
「数学に疎いので断言できないのですが、そんな感じかもしれません」
Q2.哲学はいくつある?
このような観点から、哲学は古代哲学(ギリシャ、ローマの哲学)と近世哲学とに分かれる。その間に中世の哲学(神学的哲学)が簡単にはさまれる。
「いきなり哲学が二つないし、三つに分けられました」
「哲学史的には三つだけ覚えればよいのか!」
「簡単ですね!」
Q3.第一の哲学 古代哲学とは?
・この時代の哲学に共通な傾向は、”自然を説明する原理を見出すこと”である。
「はい、古代哲学とは”自然を説明する原理を見出すこと”だそうです」
「自然を説明する原理…?」
「”何で自然はこうなっているんだろう?”という疑問です。古代の人はもっとも身近にあって変化し続ける不思議なモノ。つまり、”自然”に”何でだろう?”と哲学的探究心を覚えたわけですね」
「よし、覚えた! 覚えるのはあと2つだね!!」
「残念、問いに対する答えを覚える必要があります」
Q4.そいじゃあ、何で自然はこうなっているの?
どんな自然の元素が根本元素であろうか?
「水だ!」 「空気だ!」 「原物質だ!」
「いろいろな答えが出てきました」
「また、バラバラじゃないか…」
「分かりにくいので、細かく解説してみましょう」
「結局、覚えることが増えてきた…」
Q4.前期イオニア哲学者たちはこう考えた
1.タレス
・すべての物の原理は水であって、すべては水からなり水に帰る。・タレスはこの命題の自然的原理の合理的説明という土地に足を踏み入れた最初の人である。
「万物の根源は水だ! どこかで聞いたことがありますね」
「中国哲学でも良く出てくるね」
「ここで重要なのは、「万物の根源は神」が当たり前の世界で、「神じゃない水なんだ!」と説いたことです」
「常識を覆す!それが哲学者!!」
「そんな感じでタレスは最初の哲学者とされています」
2.アナクシマンドロス
・事物の起源は、限りないものである。・事物がそこから生まれたものへと、その死もまた必然的に帰っていく。なぜなら、事物はその不正の償いとして、時の秩序にしたがって、互いに正しい返報をするからである。
「万物の根源は限りないものである」
「おいおい、限りないものって何じゃらほい?」
「どう捉えるか難しいんですが、”万物の根源はモノじゃない何かだ!”という訳です。アナクシマンドロスはこれをアルケーと名づけています」
「アルケーはあるっけー?」
「......」
3.アナクシメネス
・万物の根源(アルケー)は空気である。
・空気からできているわれわれの魂がわれわれを保持しているように、微風が全世界を包んでいる。
「アルケーは空気になりました」
「まさしく空気をよめ!って感じ?」
「空気は限りがなくて、世界を包んでいて、風によって運動し続けいて、呼吸が生命活動の条件となっている...。まさしく、限りないものとは空気のことだったんだよ!!!」
「なんだってー!!!」
Q5.前期イオニア哲学のまとめ
イオニア哲学者たちは、存在するものの普遍的本質を求め、それを物質的な質料のうちに見出し、アルケーから諸元素を導出することによっていくつかの予示をあたえた。かれらの全哲学は以上に帰するのである。
「イオニア哲学者は、自然のしくみに疑問を持ち、「なんでこうなっているんだろう?」と絶対的な理由を考えたわけです」
「全部神様がやったことさ!っとはならなかったんだね」
「そこで神様の変わりに考え出されたものが、水やアルケーや空気です」
「それだけ聞くと神がアルケーに変わっただけに見えるんだけれど…」
「でも、この”考え方”が後の哲学者に影響を及ぼし哲学が発展していくのですよ!」
Q6.で、イオニアって何処??
イオニア(古代ギリシア語:Ιωνία)とは、エーゲ海に面した、アナトリア半島(現・トルコ)南西部に古代に存在した地方のことである。近くにスミルナ(現・イズミル)があった。アナトリア半島にはイオニア人(古代ギリシア人を構成する1集団)が植民(でなければ、少なくとも支配)した様々な都市国家があり、それらで構成されたイオニア同盟の、北の地域を指す。
「で、イオニアって何処よ? ギリシャとは違うの??」
「珍しく自分で地図を作ってみました。場所的にはギリシャの東、トルコの西のあたりです」
「あれ? 案外、はずれの方にあるんだね??」
「時代的にはギリシャの方がはずれになります。この時代の中心は中東の方ですから」
「あれ? ヨーロッパの方がはずれなの??」
「誤解されがちですが、歴史的にはまだまだ中東全盛時代のほうが長いのですよ!」
つづく
蛇足...
「三つとか言って、いっぱい覚えないとダメじゃん...」
「まぁ、イオニア哲学とは”自然を説明する原理を神様以外から見出すこと”と覚えておけば良いんじゃないでしょうか」
「神は死んだ!ってどこかで聞いたね!」
「やっぱり時代は繰り返すんですかねぇ...?」
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